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韓国大統領の退陣表明と大政奉還

 11月29日に、韓国の朴大統領は任期満了前の退陣を表明した。これに関する国民向け談話の動画をみたが、大統領は事態を淡々と説明しており、その表情からは反省の色を読み取ることができなかった。

 退陣を求める抗議集会や報道とのギャップを感じつつ、幕末における大政奉還のことが頭に浮かんだ。

 『山川 詳説日本史』では、大政奉還について、次のように記述がある。

薩長両藩は、ついに武力倒幕を決意した。これに対して土佐藩はあくまでも公武合体の立場をとり、…将軍徳川慶喜に、倒幕派の機先を制して政権の返還を勧めた。慶喜もこの策を受け入れ、ついに10月14日、大政奉還の上表を政府に提出した。

 今回の退陣表明は、徳川慶喜大政奉還のように、退陣を求める国民・野党・マスメディアへの「機先を制」する目的があるのではないか。そう考えると、大統領のしたたかさに戦慄さえ覚えた。ボールを投げられた野党のほうが狼狽えているのかもしれない。野党の出方に注目である。

 

<参考文献>