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天皇陛下の生前退位に関する世論調査の意味について

 12月2日(金)の日経新聞の社説「退位論議の集約に知恵絞れ」を読んで、以下の文章に強い違和感を覚えた。

忘れてはならないのは、各種の世論調査で、国民の多くが特例法よりも典範改正による退位の恒久制度化を求めている事実だ。この点も検討の材料のひとつとして浮上しよう。

 世論調査の結果を「検討の材料のひとつ」とするべきという考え方である。しかしながら、有識者会議におけるヒアリングが一通り終わったばかりで、論点整理もなされていない段階での「世論」にどこまで意味があるのだろうか。各種メディアの世論調査に回答した国民は、この問題に関する知識をどれほど有し、深く考えたのであろうか。

 有識者としてヒアリングを受けた、歴史や憲法の専門家の間でも見解が分かれ、論点も多岐にわたる。有識者の見解もそれぞれに説得力があり、わたしには、どのような選択がベターなのかわからない。

 憲法第1条にて天皇の地位が「主権の存する日本国民の総意に基く」ものと規定されており、「日本国民の総意」が重要であることは言うまでもないし、「日本国民」として問題への理解を深めようとしなければならない。しかしながら、現時点の世論調査は無意味であるし、万が一議論の方向が世論に影響されるのであれば、有害であるとさえいえるのではないか。